白金高輪にオープンしたデザートレストラン「nuance(ニュアンス)」のコースが至高だった

白金高輪にオープンしたデザートレストラン「nuance(ニュアンス)」へ行ってきました。シェフパティシエを務めるのは、南青山のレストラン「mærge(マージ)」でもデザートを手がける奥村充也さん。季節の素材を使った8〜9皿のデザートと、それぞれに合わせたノンアルコールペアリングを楽しめるお店です。

「香り」を軸に組み立てるデザートコース

nuanceのコースで特に印象に残ったのが「香り」の使い方です。素材がもともと持っている香りと近い要素を重ねることで、その個性をより鮮明にしていきます。フルーツだけでなく、ハーブなども取り入れながら、甘味、酸味、苦味、温度、食感を変化させていくため、何皿もデザートが続いても単調になりません。

店内は8席ほどのカウンターが中心で、目の前で一皿ずつ仕上げられていきます。

出来上がった瞬間の温度や食感をそのまま楽しめるのも、デザートコースならでは。今回はコース中盤に登場したチョコレートのデザート「果」に注目します。

チュアオの個性を引き出したチョコレートデザート「果」

「果」に使われているのは、ロディックチョコレートのチュアオ。目の前に運ばれてきたのは、美しい球体の飴細工です。その繊細な飴を崩していくと、中からカカオハスクティーを使ったマスカルポーネのムース、チュアオのアイス、バラのゼリーが現れます。

チョコレートを使ったデザートですが、いわゆる濃厚で重たいショコラデザートとはまったく違う方向性。特に印象的だったのがチュアオのアイスです。牛乳を使わず、水と水飴をベースに仕上げることで乳製品のコクを抑え、カカオそのものの香りをクリアに感じられるようにしています。口に含むと明るい華やかな香りが広がりました。

そこにバラのゼリーを合わせることで、チュアオが持つフローラルなニュアンスがさらに前へ出てきます。

さらにカカオハスクティーを使ったマスカルポーネのムースからは、カカオ豆とはまた違った穏やかな香ばしさが広がります。ティラミスそのものではないですが、カカオハスクティーを浅煎りコーヒーに見立て、その構成を思わせる仕立てですカカオ豆だけではなく、その周辺にある素材まで取り入れながら一皿の中でカカオの表情を変えていくのも面白いところ。薄い飴細工のパリッとした食感も加わり、香りだけでなく口当たりにも変化があります。

ペアリングの完成度も高い

ペアリングドリンクも、このデザートをより印象的なものにしていました。凍頂烏龍茶のコンブチャをベースに、フランボワーズやベリー、バニラシロップを合わせた一杯です。ベリー系の酸味がチュアオの果実感につながり、バニラの柔らかな香りがチョコレートの余韻をふくらませます。

プレゼンテーション、デザートのクオリティ、そしてノンアルコールペアリングまで、すべてがつながってひとつのコースとして素晴らしかったです。今回はオープンして間もないタイミングで伺いましたが、すでに次回も予約しました。季節が変わったときに、奥村さんがどんな素材と香りを組み合わせ、どんなデザートを見せてくれるのか。次に訪れるのが楽しみです。

nuance 店舗情報

  • 店名:nuance(ニュアンス)
  • 住所:東京都港区白金3-14-10 ベル パラーゾ シロカネ
  • 席:カウンター8席
  • 完全予約制